ダイヤフラムポンプとは?

ダイヤフラムポンプ(ダイアフラムポンプ)とは膜ポンプと呼ばれる容積型ポンプの一種です。
「ダイヤフラム」(diaphragm)は"横隔膜 "を意味しており、そのダイヤフラムを往復させることで流体を移送しています。

ダイヤフラムの素材にはゴム、樹脂、金属などが使用されておりテクノ高槻ではゴムを採用しております。
また、ダイヤフラムゴムを往復運動させるための駆動源も様々でエアー駆動、油圧駆動、モーター駆動、電磁駆動などがあり、テクノ高槻では電磁駆動、モーター駆動のポンプを製造販売しております。

開発起源はオーディオスピーカー

テクノ高槻は1967年、日本国内で初めて電磁式のダイヤフラムポンプの開発に成功しました。
開発当時の顧問がオーディオスピーカーを見て、音が発生するときにスピーカーの膜が振動し、かすかに風を発生させていることに気が付きました。
そこでオーディオスピーカーの構造をヒントにゴム製のダイヤフラムを振動させて空気を出すという“電磁式ダイヤフラムポンプ“の原理を思いつきました。

次にその原理について解説いたします。

電磁式ダイヤフラムポンプの駆動原理

電磁式ダイヤフラムポンプは交流波形に合わせて永久磁石のロッドを左右に振幅させ、ダイヤフラムゴムを変形させることで吸気・圧縮・吐出・膨張の4サイクルで駆動しています。

駆動原理 吸気
【1】吸気
通電により電磁石に磁気が発生。永久磁石が電磁石に反発・吸着しダイヤフラムが変形、吸入弁が開き吸気します。

駆動原理 圧縮
【2】圧縮
交流により電磁石のS極とN極が入れ替わり、永久磁石と電磁石が反発・吸着します。ダイヤフラムは中央に戻り、吸い込んだ空気が圧縮されます。

駆動原理 吐出
【3】吐出
永久磁石と電磁石が反発・吸着することでダイヤフラムがさらに変形し、吐出弁が開き圧縮された空気を吐出します。

駆動原理 膨張
【4】膨張
また電磁石のS極N極が入れ替わることで永久磁石が逆方向へ反発・吸着しはじめ、ケーシング内の空気は膨張を始めます。

電磁式ダイヤフラムポンプの寿命

上記の駆動原理でご説明した通り、電磁式ダイヤフラムポンプは主要部品にゴムを使用しているため、寿命や耐久はご使用環境によって異なってきます。
当社では数多くの実績と知見から独自の耐久試験方法を確立し、実施しております。

電磁式ダイヤフラムポンプの特長

ダイヤフラムポンプの特長 静音
低騒音
駆動源にはモーターではなく磁力を使用しているため、作動部から発生する騒音が抑えられます。
ダイヤフラムポンプの特長 長寿命
高耐久・長寿命
機械同士の摩擦による劣化や部品摩耗が無いので長期連続使用が可能です。また、寿命に関する実績と知見があり、耐久試験の方法も確立しています
ダイヤフラムポンプの特長 消費電力が低い
低消費電力・高効率
電磁振動構造で機械的摺動部がないため、消費電力は極めて低く高効率です
ダイヤフラムポンプの特長 優れた応答性
優れた応答性
電源ONとほぼ同時に最大流量のエアーを吐出することが出来、起動が早いため入力信号のロスを軽減することが出来ます。
ダイヤフラムポンプの特長 オイルフリー
オイルフリー
摺動部がないため給油の必要がなく、常にクリーンな吐出気体を得ることができます

他方式のエアーポンプとの性能比較

下の図はファン、ロータリーベーンポンプ、モーター式ダイヤフラム、モーター式ピストンポンプと電磁式ダイヤフラムポンプの性能を比較した性能分布図です。(当社調べ)

エアーポンプには様々な種類がありその中でダイヤフラムポンプは流量・圧力共にカバーできる範囲は小さい部類に属していますが、限られた性能範囲の中でダイヤフラムポンプの特長が発揮されています。例えば少ない流量でも細かな調整が簡単に出来ることや、高効率で高寿命という特長から医療機器や中型産業機器などの内部部品のエアーポンプとしてダイヤフラムポンプが使用されています。

ダイヤフラムポンプの性能分布図

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電磁式ダイヤフラムポンプは汎用性の高さから産業業界、医療/健康業界、環境業界、ホビー業界など非常に多様な場所で活躍しています。お気軽にお問い合わせください。